スナック☆マジック

アルコールの分解力が高い体質であり、
またアルコールを美味だと感じられる味覚を持っているため
アルコールを摂取することが比較的好きだ。
比較的っていうか大好きだ。

しかし、ほっておくとどんどこ呑んでしまうので
仕事の付き合い以外ではあまり摂取しないようにしており、
“好きなだけ呑んでいいのは盆と正月”と
おのれの中の約束ごとにしている。

この夏休み中は「お盆だからOK!」と、しこたま呑んでしまった。

昨年秋に買いだめしておいた“赤霧島
(わたしが住んでる地域ではおひとり様1本限りしか買えないのだ)
(なので出回る時期に店を変え時間を変え何度も買いに行くのだ)と、
百貨店の九州物産展で買った“赤兎馬”の限定品?(名称忘れた)と、
なんたらとかいう1本ろくせんえんもする
(個人的にはたいそう高価であった)フランス産のブランデーを
ロックでちみちみ飲みながら観るライジングは最高だったぜ!
(つまみはS城I井で買った鮭とばです)
(美味しかったが北海道で食べた鮭とばには敵わず)

オーディオコメンタリーでキャストのみなさんが
ルナ先生の登場シーンのたびに「顔色が悪い」と仰っているのが
個人的にツボに入ってしまい観終わったあとも
思い出してはしばらく笑っていた。

終盤のアニエスさんの勝ち誇ったような「認めますっ!」が
(おそらく平田さんの重力王子登場シーンのマリオの台詞と同じくらい)
大好きなので何度も何度も巻き戻して観ては笑っていた。
(完全に酔っている)

自宅でひとりで長時間ちびちびちびちび呑むのが最も好きなのだが、
仕事の付き合いで連れて行ってもらうスナックでの飲酒も大好きだ。
非日常を感じられるスナックが大好きである。

スナックのおねえさんたちのあの絶妙な水割りのつくり方がすごい。
一杯目はうすーいのに、客が呑める人間だとわかるや否や
ロックに近い水割りを出してくるのがすごい。

ノンストップ、ボトル消費率!
接待費だからあたいも遠慮なく呑むよ)

薄暗いからなのかもしれないし、
酔っているからなのかもしれないのだが、
スナックのおねえさんたちが一様にキラキラと美しく見える。
おしゃべりしていると包みこむようなおおらかさにうっとりする。
(わたしが男だったら口説いてしまうのではないかと思う)
(女でよかった)

他人様がカラオケで歌っていらっしゃるのを聴くのも楽しい。
スナックには歌のめたくそ巧いおっさん&おねえさんたちがあふれている。
(へたっぴもあふれているが、それもまたご愛嬌で楽しい)

先日も接待(するんだかされるんだか不明)で行ったスナックで、
全然知らない隣の席のおっさんの歌唱力が高すぎたので
ご本人に面と向かって褒め讃えていたら、
「おねえちゃんもキレイやで、びゃくれんに似てるで」
とたいそうご満悦な表情で褒めてくだすった。

“びゃくれん”が何者かまったく分からず、
また耳が悪いため最初は“びゃくえん”と聞こえ
「サムライ○ルーパーのでっかい白い虎のこと?」
「色白ってこと? ていうか、どうぶつかよ!」と思っていたら
今やっている朝ドラの白蓮?(N間Y紀恵)のことであった。

(スナックのおねえさんが懸命に通訳してくれた)
(そりゃそうだ、おっさんはト○ーパーなんて知らねえよ!)
(という判断もつかないほど呑んでいたと思われる)

おそらく黒髪であることと性別が女であることしか似ていない。
リップサービスではあるが褒められたので悪い気はしない。
そういうところがスナックの魔法なのだろうと思う。
スナックの楽しみ方を知っている人だけが感じられる、
そして自ら生み出すことができる魔法なのだろう。

わたしがスナック大好きなのは小学生のときに読んだ
漫画『めぞん一刻』のせいもあると思う。

スナックやアパート内でのどんちゃん騒ぎがあまりに楽しそうで
大人になったらやってみたいことのひとつになった。
(絶対に五代君の立場にはなりたくない、と思った)
(なるのなら暴れるほう、と思っていた)
(ろくな子供ではない)

さすがにひとりでスナックに入る勇気はないので、
会社員になって(お酒が呑める体質で)よかったなあ、と思う。
すっかり『めぞん一刻』のモブに登場できそうな
マダオ(まるでダメな大人)になってしまった。

明日からの仕事がんばろう…。