わたしを二次会に連れてって

わたしが現在勤めている職場は
女性が全体の2割もおらず、男性が大半を占めている。

そんなわけで、いつ何時も社内のあちこちで男性社員たちが
キャッキャウフフしている。
(あれ、なんか日本語がおかしい?)

昼休みには給湯室に設置してある電子レンジの前で
ふたりの男性社員が一緒にお弁当を温めようと悪戦苦闘していた。
(弁当箱が大きすぎてふたつ一緒に入れることが困難のようだ)
(ていうか、電子レンジが小さい)

なんとかレンジの中に弁当箱が入ったと思ったら
向かい合って楽しげにあれやこれやとおしゃべりをはじめるふたり。
しばらくしてレンジから温め完了の電子音が鳴り、
またもや悪戦苦闘しながらお弁当を取り出すふたり。
「あ! しゃべって待ってる間にお茶を煎れておけばよかったが!」
「わあ、ばかやん、オレら!」と笑いながら仲良く席に戻って行くふたり。

そんなふたりの背中をレンジ待ちの列に並んでいる女性社員たちは
「今日もふたりとも可愛かったね」(実は毎日こんな感じ)
「なんだろうね、この胸がキュンとする感じ!」
「母性本能をくすぐられてるんじゃない?」
などとほのぼのと見送っていた。

そんな女性社員たちのうしろでお茶を煎れていたわたしは
「いや、たぶん、これこそ“女はみんなホ○が好き”なんだと思うよ!」
と叫びそうになって、あわてて空気を飲み込んだ。

男性同士の仲の良さ、というのはちょっと理解不能なところがある。
わたしなどは常々「何故あんなにつながりが強いのだろうか?」と思っている。
(あと、人によるかもしれないが、相手に対してすごく“寛容”だと思う)
そういうところをとても魅力的に感じる。
女性同士ではありえない絆に惹かれる。
そのような関係がうらやましい。

だから、ほんとうは“ホ○が好き”なわけではないのだろう、と思っている。

というようなことをぼんやりと考えつつ、昼食後に自分の席に戻ると
向かいの席の上司が他部署の後輩に何やら詰め寄られていた。

「なんでこないだの二次会、誘ってくれなかったんスか!」
「俺も帰るつもりだったんだけど、無理矢理付き合わされたんだよ」
「うそだ…なんか、すっごく楽しかった、って聞きましたよ!」
「うそじゃない…俺は眠かったよ…(ぐったり)」
「…うそだ」
「うそじゃねえよ…」
「次は置いてかないでくださいよ!」
「わかったよ! もうやめろよ、お前、すごい目で見られてるんだぞ」

と上司が赤い顔でわたしを指さした。(ひどい)

次回はわたしも二次会に連れていってほしい。
指をさされても“すごい目”でじろじろじろじろ見るよ!